プレカットにも・・・
2012年 03月 08日

夫と結婚したばかりのころは
大工だった夫の父と親子ふたりで大きな作業場を使い
棟上げ前になると手刻みで木材を加工する毎日が続いていました。
母と私の仕事は作業が終わった後の掃除でした。
たくさんのノミで削った木材の削りくずやかんな屑など
辺りは木の香りと言うよりは木の臭いでいっぱいでした。
きれいに掃除をし終わるまでに小一時間はかかかりました。
それが私の大工の嫁としての仕事の最初でした。

大黒柱は自分の手で・・・ヒノキの柱を仕上げる夫。
いつの頃からか手刻みから木材の加工はプレカットに変わりました。
作業の短縮化や手刻みによる大工の手間代などのいろいろな理由からだと思います。
今でも手刻みにこだわり家を作られているところもありますが
夫も今はプレカットでお願いしています。
図面通りに機械がカットしてくれるとはいっても全く気は抜けません。
自分が手刻みでしない分加工のための図面とにらめっこの日が続きます。
もちろん強度などを含めて計算上クリアされている図面ですが
それでも細かいところまでチェックを重ねて
プレカット図面を作成した設計士さんとのやり取りが半端ではありません。
家に来ていただき私には全く専門用語はわかりませんが
話からは夫なりに考えたより丈夫な家を作りたいため
柱一本から梁の太さまで細々指示をさせてもらっているようです。
家に来てもらった方とのやり取りを聞いていると
まるで大切な可愛い我が子を生み出すかのような会話に
思わず「そこまでするのね^^」とほくそ笑んでしまいます。
やっぱり家には職人ひとりひとりの魂が宿っているのだと思う一瞬です。
夫以外にも家作りに心底気持ちを入れ
正直に素晴らしい仕事をしている大工さんがたくさんいるはずです。
日本に昔から伝わってきた大工の技術や知恵は
夫達の世代で終わってしまっては・・・・いけませんね~。
昔から馴染みのある木造在来工法の木の家ですが
今ではたくさんの工法の中のひとつになりました。
それでも今ふたたび見直されつつもあります。
技術の進歩で建築様式も多様化して飽和状態になり
家を建てたい方も様々な迷いや心配があるはずです。
一体何を基準にすればよいのか・・・
そのような時代だからこそシンプルな昔の日本の住宅が
見直されているのかもしれません。
嬉しいことに若い世代の方々もお問い合わせやご相談を寄せてくださっています。
丈夫で安心して住める「普通の木の家」を目指して打ち合わせが続きます。
手刻みからプレカットに変わっても一本一本の柱や梁に
かける思いは同じです。
より良い構架でより良い施工を・・・・
この打ち合わせがずっとずっと住まえる家への第一歩なのですね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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by touryounoie
| 2012-03-08 22:42
| 家作り
|
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